2009年5月5日火曜日

展示品:31 東京日々新聞(毎日新聞の前身) 第1号 木版摺り

 1872(明治5)年2月21日 彫・村橋昌蔵と弟子 32×46㌢ 1部140文 発行部数1000部 題字は謙堂で横に飛雲模様を描いたのは落合芳幾と思われる。
トップ記事は長野県で起きた貞婦「せん」と悪僧「慶山」の事件。次は岩倉具視らの欧米使節団に随行した福地桜痴の手紙を掲載した。米国ソルトレークシティー(ユタ州)のモルモン教徒の一夫多妻を認める共同体に関するもので、末尾に豪雪で摂氏4度の寒さを伝えている。続いて軽い町ダネで、神田の酒店が開店祝に無料で酒を出したら、街に酔っ払いが溢れた。論評で「仁が過ぎれば却て禍があるとはこのことだ」と加えている。最後は日枝神社の舟渡し行事が載っている。                  
現存する日刊紙としては最も古い。2号からは活版印刷となる。岸田吟香、福地源一郎(桜痴)が「雑報・論説」で評価を高めた。経営難から明治44年大阪毎日新聞に経営が移った。勢力を盛り返したのは関東大震災以降で第二次大戦まで東京朝日新聞と並び日本の新聞界を二分した。

 2009年5月8日~8月9日 東海道の宿場「鳴海」の古今~記者の目で見つけた地元の歴史~(荒木集成館)展示品 淡河俊之コレクション

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